夏は扇冬は火桶に身をなして
つれなき人に寄りもつかばや
- 歌の意味
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夏は扇に、冬は火桶に我が身を変えて、つれないあの人のそばに寄り添いたいものだ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑賀 1187
詞書「題しらず」
夏は扇に、冬は火桶に我が身を変えて、つれない人のそばに寄り添いたいと詠む歌である。季節ごとに人の手もとに引き寄せられる扇と火桶に身を変えれば、冷たい相手にもそばに置いてもらえるだろうと、かなわぬ恋の切なさを、ユーモアをまじえて詠んでいる。
初句「夏は扇」は、夏は扇に、の意で、夏に手放せない扇をいう。
二句「冬は火桶に」は、冬は火桶に、の意で、初句と対をなし、冬に人が身を寄せる火桶をいう。
三句「身をなして」は、我が身を変えて、の意である。
四句「つれなき人に」は、冷淡な人に、の意で、思いに応えてくれない相手をいう。
結句「寄りもつかばや」は、寄り添いたいものだ、の意で、「ばや」は自分の願望を表す終助詞である。扇は手に取られ、火桶には人が寄り添うことから、そばに置かれたい思いを託している。
ひをけ:火桶。木製の丸い火鉢
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
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花の木は籬近くは植ゑて見じ 移ろふ色に人ならひけり
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恋するに仏になると言はませば 我ぞ浄土の主ならまし