鴬の鳴きつる声に誘はれて
花のもとにぞ我は来にける
- 歌の意味
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鴬の鳴いた声に誘われて、花のもとに私はやって来たことだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 35
詞書は前の歌に続き「題しらず」
鴬の鳴き声に誘われて、気づけば花のもとまで来ていたと詠んだ歌である。鴬と花という春の景物の結びつきを素直に詠み、春に誘われる心の弾みを表している。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「鴬の」は、前歌から続く鴬の歌である。
二句「鳴きつる声に」の「つる」は完了で、今鳴いた声に、の意である。前歌の第三十四首では人に顧みられなかった鴬の声が、本歌では人を花のもとへ誘っており、対照をなしている。
三句「誘はれて」は、鴬の声に心を誘われたことを表す。
四句「花のもとにぞ」の「ぞ」は係助詞で、結句の連体形「ける」と係り結びをなす。
結句「我は来にける」の「ける」は気づきの詠嘆で、いつの間にか花のもとに来ていたことを表す。
さそふ:誘う、促して連れ出す
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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谷寒みいまだ巣立たぬ鴬の 鳴く声若み人のすさめぬ
- 次の歌
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花だにもまだ咲かなくに鴬の 鳴く一声を春と思はむ