紅に色をば変へて梅の花
香ぞことごとににほはざりける
- 歌の意味
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紅に色を変えて咲いた梅の花だが、香りはとりたてて違った匂いになっているわけではなかったのだなあ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 44
詞書「紅梅の花を見て」
紅梅を見て、色は白梅と違って紅に変わっているが、香りは変わらず同じだと気づいた歌である。色の違いと香の同じさを対比させ、梅の本質は香にあるという見方をさりげなく示している。
詞書によれば、紅梅の花を見て詠んだ歌である。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、甲斐少目や和泉大掾などを歴任した。三十六歌仙の一人である。
初句「紅に」は、紅梅の鮮やかな紅の色を示す。紅梅は本巻の第十七首や第四十六首にも詠まれている。
二句「色をば変へて」の「をば」は強調で、色こそ変えて、の意を表し、四句の「香ぞ」と対比されている。
三句「梅の花」は、紅梅を示す。
四句「香ぞことごとに」の「ぞ」は係助詞で、結句の連体形「ける」と係り結びをなす。「ことごとに」は、取り立てて違ったさまに、の意である。
結句「にほはざりける」の「ける」は気づきの詠嘆で、香は違って匂うわけではなかったと改めて悟ったことを表す。
こうばい:紅色の花を咲かせる梅
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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花の色は散らぬ間ばかりふるさとに 常には松の緑なりけり
- 次の歌
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降る雪はかつも消ななむ梅の花 散るにまどはず折りてかざさむ