- 歌の意味
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桜の花は、色こそもとの木と同じ枝であるけれど、会えないあなたの形見として見ると、かえって心は慰められないことだ。
- 鑑賞
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巻第二 春歌中 51
詞書「おもしろき桜を折りて、友達のつかはしたりければ」
友人が見事な桜の枝を折って贈ってきたのに対し、花の色はもとの木と同じでも、会えない友の形見として見ると心は慰まないと詠んだ歌である。花を喜びながらも、贈り主に会えない寂しさを訴えている。
詞書によれば、美しい桜を折って友人が贈ってくれたので詠んだものである。次歌はこれに対する伊勢の返歌で、二首は贈答をなしている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「桜花」は、友人から贈られた桜の枝を示す。
二句「色は等しき」は、折られた枝の花の色も、木に咲く花と変わらない、の意である。
三句「枝なれど」の「ど」は逆接で、同じ色の枝であるけれども、と下の句の嘆きへつないでいる。
四句「形見に見れば」の「形見」は、離れた人を思い出すよすがとなる品で、贈られた枝を贈り主の形見として見ることを表す。次歌の第五十二首も「形見」の語を受けて返している。
結句「慰まなくに」の「なくに」は詠嘆を込めた打消で、心が慰められないことよ、の意である。
かたみ:離れた人や亡き人を思い出すよすがとなる品
なぐさむ:心が晴れる、気が紛れる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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山守はいはばいはなむ高砂の 尾上の桜折りてかざさむ
- 次の歌
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見ぬ人の形見がてらは折らざりき 身になずらへる花にしあらねば