相思はでうつろふ色を見るものを
花に知られぬながめするかな
- 歌の意味
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花のほうでは私を思ってくれず、その色あせていく姿を見ているというのに、花には知られることもない物思いにふけって眺めていることだ。
- 鑑賞
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巻第二 春歌中 59
詞書「花の散るを見て」
散りゆく花を見て、花は自分を思ってくれないのに、こちらは花に知られることもなく物思いにふけって眺めていると詠んだ歌である。花への思いを片思いの恋になぞらえ、報われない思いを抱えて花を見つめる心を表している。
詞書によれば、花の散るのを見て詠んだものである。
作者の凡河内躬恒は、古今和歌集の撰者の一人で、甲斐少目や和泉大掾などを歴任した。三十六歌仙の一人である。
初句「相思はで」は、互いに思い合うことなく、の意で、六音の字余りである。花が自分を思ってくれないことを、恋の片思いになぞらえている。
二句「うつろふ色を」は、色あせて散りゆく花の色を示す。
三句「見るものを」の「ものを」は逆接で、見ているのに、の意である。
四句「花に知られぬ」の「れ」は受身で、花には知られることのない、の意である。
結句「ながめするかな」の「ながめ」は物思いにふけりながらぼんやりと眺めることで、「かな」は詠嘆を表す。
うつろふ:色があせる、盛りが過ぎる
ながめ:物思いにふけりながら眺めること
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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青柳の糸縒りはへて織る機を いづれの山の鴬か着る
- 次の歌
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帰る雁雲路にまどふ声すなり 霞吹き解けこのめはる風