寝られぬをしひて我が寝る春の夜の
夢をうつつになすよしもがな
- 歌の意味
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寝つかれないのを無理に寝る春の夜に見る夢を、現実にする手立てがあればよいのに。
- 鑑賞
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巻第二 春歌中 76
詞書「題しらず」
恋しさに寝つかれないのを無理に寝て見た春の夜の夢を、現実のものにする手立てがあればよいのにと願った歌である。夢でしか会えない恋の切なさを、短くはかない春の夜の夢に託している。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「寝られぬを」の「れ」は可能、「ぬ」は打消で、寝つかれないのを、の意である。
二句「しひて我が寝る」の「しひて」は、無理に、の意で、寝つけないのを押して眠ろうとするさまを表す。
三句「春の夜の」は、短くはかないものとされる春の夜を示す。
四句「夢をうつつに」の「うつつ」は現実の意で、夢と対比されている。
結句「なすよしもがな」の「よし」は手立て、方法の意で、「もがな」は願望を表す。
うつつ:現実
よし:手立て、方法
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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春霞立ちて雲居になりゆくは かりの心の変はるなるべし
- 次の歌
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我が宿の桜の色は薄くとも 花の盛りはきても折らなむ