山高み霞を分けて散る花を
雪とやよその人は見るらん
- 歌の意味
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山が高いので、霞を分けるようにして散ってくる花を、遠くにいる人は雪だと見ているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第三 春歌下 90
詞書「題しらず」
高い山から霞を分けて散ってくる花びらを、遠くの人は雪と見ているだろうかと思いやった歌である。落花を雪に見立てる趣向に、霞の中を舞う花の白さと遠景の広がりを描いている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「山高み」の「み」は理由を表す接尾語で、山が高いので、の意である。巻第二の第六十三首も「山高み」の句を用い、遠く見える花の色を霞と紛れさせている。
二句「霞を分けて」は、立ちこめる霞の中を通り抜けて、の意である。
三句「散る花を」は、山の上から散ってくる花びらを示す。
四句「雪とやよその」の「や」は疑問の係助詞で、結句の連体形「らん」と係り結びをなす。落花を雪に見立てている。「よそ」は遠く離れた所の意である。
結句「人は見るらん」の「らん」は現在推量で、遠くの人は見ているのだろうか、と思いやっている。
よそ:遠く離れた所
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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我が宿にすみれの花の多かれば 来宿る人やあると待つかな
- 次の歌
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吹く風の誘ふものとは知りながら 散りぬる花のしひて恋しき