- 歌の意味
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山桜が咲いたときには、いつもよりも、峰の白雲がいっそう多く立ちのぼっていることだ。
- 鑑賞
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巻第三 春歌下 118
詞書「亭子院歌合の歌」
山桜が咲くと、峰にかかる白雲がいつもより多く立つように見えると詠んだ歌である。山に咲く桜を白雲に見立て、峰を覆う花の盛りを大らかに描いている。
詞書によれば、亭子院歌合で詠まれた歌である。亭子院歌合は、延喜十三年(913)に宇多法皇が亭子院で催した歌合である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「山桜」は、山に咲く桜を示す。前歌に続き、山の桜と白雲を取り合わせた歌である。
二句「咲きぬる時は」の「ぬる」は完了で、咲いたときには、の意である。
三句「常よりも」は、いつもよりも、の意である。本巻の第百七首も同じ「常よりも」で始まっている。
四句「峰の白雲」は、峰にかかる白雲を示し、実は桜の花であることを見立てによって表している。前歌の第百十七首、次歌の第百十九首にも白雲が詠まれている。
結句「立ちまさりけり」の「立ちまさる」は、いっそう多く立つ意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。
たちまさる:いっそう多く立つ
うたあはせ:歌人を左右に分けて歌の優劣を競う催し
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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み吉野の吉野の山の桜花 白雲とのみ見えまがひつつ
- 次の歌
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白雲と見えつるものを桜花 今日は散るとや色ことになる