我が宿の影とも頼む藤の花
立ち寄り来とも浪に折らるな
- 歌の意味
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我が家の木陰とも頼みにしている藤の花よ、波が寄せて来ても、波に折られてはならない。
- 鑑賞
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巻第三 春歌下 120
詞書「題しらず」
我が家の陰とも頼みにしている藤の花に、波が寄せて来ても折られるなと呼びかけた歌である。藤の花房の揺れを波にたとえる「藤波」の言葉を生かし、藤と波を縁語で結んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「我が宿の」は、我が家の、の意である。本巻の第八十九首、第九十三首も我が家を詠んでいる。
二句「影とも頼む」の「影」は物陰、また身を寄せる庇護の意で、我が家の陰とも頼みにする、の意である。
三句「藤の花」は、呼びかけである。ここで句切れとなる。
四句「立ち寄り来とも」の「とも」は逆接の仮定で、波が立ち寄せて来ても、の意である。
結句「浪に折らるな」の「る」は受身、「な」は禁止で、波に折られるな、の意である。藤と波は縁語であり、本巻の第百二十四首、第百二十六首の「藤波」とも響き合っている。
かげ:物陰、また頼りとする庇護
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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白雲と見えつるものを桜花 今日は散るとや色ことになる
- 次の歌
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花盛りまだも過ぎぬに吉野河 影にうつろふ岸の山吹