- 歌の意味
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水底に映る色までも深い松の枝に、千年の先までも見込んで咲いている藤の花房よ。
- 鑑賞
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巻第三 春歌下 124
詞書「題しらず」
水底に映るほど色の深い松の枝にかかって、千年の先までも見込んで咲いている藤の花を詠んだ歌である。長寿の松と藤の取り合わせに、末長い栄えを祝う心がこもっている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「水底の」は、水の底、ここでは水に映った影を示す。
二句「色さへ深き」の「さへ」は添加で、水に映った色までも深い、の意である。本巻の第百十一首の「底も緑に見ゆる浜松」と、水底に映る松の深い色を詠む点で対応している。
三句「松が枝に」は、長寿の象徴である松の枝に、の意である。
四句「千年をかねて」の「かぬ」は先のことまで見込む意で、松の千年の寿命までも見込んで、の意を表す。
結句「咲ける藤波」の「藤波」は、藤の花房が風に揺れるさまを波に見立てた語で、初句の「水底」と縁をなす。体言止めで結んでいる。次歌の第百二十五首から第百三十首は、藤の宴の折の歌が続いている。
みなそこ:水の底
ふぢなみ:藤の花房が風に揺れるさまを波に見立てた語
かぬ:先のことまで見込む
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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折りつればたぶさに汚る立てながら 三世の仏に花たてまつる
- 次の歌
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限りなき名に負ふふちの花なれば 底ひも知らぬ色の深さか