卯の花の咲ける垣根の月清み
寝ねず聞けとや鳴くほととぎす
- 歌の意味
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卯の花が咲いている垣根に月が清らかに照っているので、寝ないで聞けというのか、ほととぎすが鳴いている。
- 鑑賞
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巻第四 夏歌 148
詞書「題しらず」
卯の花の咲く垣根に月が清く照る夜、寝ないで聞けと言わんばかりにほととぎすが鳴くと詠んだ歌である。白い卯の花、澄んだ月、ほととぎすの声を重ね、初夏の夜の美しさに眠れない思いを表している。
卯の花とほととぎすの取り合わせは初夏の代表的な景物で、本巻の前半には卯の花の垣根を詠む歌が続く。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「卯の花の」は、初夏に白い花を咲かせる卯の花を示す。本巻の第百五十一首から第百五十六首まで、卯の花の垣根を詠む歌が続いている。
二句「咲ける垣根の」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、咲いている垣根の、の意である。本巻の第百五十三首、第百五十四首、第百五十五首も「垣根」に卯の花を咲かせている。
三句「月清み」は、月が清らかなので、の意で、形容詞の語幹に「み」を付けて理由を表す、いわゆるミ語法である。
四句「寝ねず聞けとや」は、寝ないで聞けというのか、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
結句「鳴くほととぎす」の「鳴く」は連体形で、四句の「や」と係り結びをなす。体言止めで、鳴く声の余韻を残している。
うのはな:初夏に白い小さな花を房状に咲かせる落葉低木、垣根に植えられた
いぬ:眠る、寝る
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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今日よりは夏の衣に成りぬれど 着る人さへは変はらざりけり
- 次の歌
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郭公来ゐる垣根は近ながら 待ち遠にのみ声の聞こえぬ