秋風のうち吹きそむる夕暮れは
そらに心ぞわびしかりける
- 歌の意味
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秋風が吹き始める夕暮れは、なんとなく心がわびしいことだ。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌上 221
詞書「題しらず」
秋風が吹き始める夕暮れには、わけもなく心がわびしくなると詠んだ歌である。何が悲しいというのでもなく、秋の夕暮れそのものが心を沈ませることを表している。
前歌までのもの思いを抱えた身の歌に続き、本歌は理由もなく覚える秋の寂しさを詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「秋風の」は、秋風が、の意である。本巻の第二百五十首など、秋風を初句に置く歌がこのあとも続いている。
二句「うち吹きそむる」の「うち」は接頭語、「そむる」は、始める、の意の「そむ」の連体形で、吹き始める、の意である。
三句「夕暮れは」は、夕暮れは、の意で、秋の寂しさが最も深まる時を示している。
四句「そらに心ぞ」の「そらに」は、うわの空で、わけもなく、の意で、夕暮れの空の景も思わせている。「ぞ」は係助詞である。
結句「わびしかりける」は、わびしいことだ、の意で、四句の「ぞ」を受け、連体形「ける」で結ぶ係り結びとなっている。
ふきそむ:吹き始める
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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いとどしく物思ふ宿の荻の葉に 秋と告げつる風のわびしさ
- 次の歌
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露分けし袂干す間もなきものを など秋風のまだき吹くらん