夢にさへ人のつれなく見えつれば
寝ても覚めても物をこそ思へ
- 歌の意味
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夢の中でさえ、あの人がつれなく見えたので、寝ても覚めても物思いをしてばかりいる。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 919
詞書「題しらず」
現実だけでなく夢の中でさえ恋しい人がつれなく見えたので、寝ていても覚めていても物思いばかりしていると詠む歌である。せめて夢では逢いたいという願いさえかなわず、昼も夜も心の休まることのない恋の苦しさを詠んでいる。
本巻の第九百十九首から第九百二十二首まで、夢を詠む歌が四首続く。
初句「夢にさへ」は、夢の中でさえ、の意で、「さへ」は、現実に加えて、という添加を表す。
二句「人のつれなく」は、あの人がつれなく、の意である。
三句「見えつれば」は、見えたので、の意で、「つれ」は完了の助動詞「つ」の已然形、「ば」は順接の確定条件を表す。
四句「寝ても覚めても」は、寝ていても覚めていても、の意で、「寝」と「覚め」を対にして、絶え間ない物思いを表している。
結句「物をこそ思へ」は、物思いをしている、の意で、係助詞「こそ」を受けて「思へ」と已然形で結んでいる。
ものおもふ:物思ふ。思い悩む
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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数ならぬ身はただにだにおもほえて いかにせよとかながめらるらん
- 次の歌
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見る夢のうつつになるは世の常ぞ うつつの夢になるぞ悲しき