見る夢のうつつになるは世の常ぞ
うつつの夢になるぞ悲しき
- 歌の意味
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見た夢が現実になるのは、世の常のことである。けれども、現実が夢のようにはかなく消えてしまうのは悲しいことだ。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 920
詞書は前の歌に続き「題しらず」
見た夢が現実になるのはよくあることだが、現実のことが夢のようにはかなく消えてしまうのは悲しいと詠む歌である。「夢」と「うつつ」を入れ替えて対句にする技巧で、かつての逢瀬が今は夢のように過ぎ去ってしまった嘆きを詠んでいる。
本巻の第九百十九首から第九百二十二首まで、夢を詠む歌が四首続く。
初句「見る夢の」は、見る夢が、の意である。前歌の第九百十九首の「夢にさへ」を受けている。
二句「うつつになるは」は、現実になるのは、の意である。
三句「世の常ぞ」は、世の常のことである、の意で、ここで句切れとなる。
四句「うつつの夢に」は、現実が夢に、の意である。上の句の「夢のうつつに」を「うつつの夢に」と反転させ、対句をなしている。
結句「なるぞ悲しき」は、なってしまうのが悲しい、の意で、係助詞「ぞ」を受けて形容詞「悲し」の連体形で結んでいる。
うつつ:現。現実。目の覚めている状態
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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夢にさへ人のつれなく見えつれば 寝ても覚めても物をこそ思へ
- 次の歌
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逢ふことは夢の中にもうれしくて 寝覚めの恋ぞわびしかりける