天の河流れて恋ひは憂くもぞある
あはれと思ふ瀬に早く見む
- 歌の意味
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天の川が流れるように長く時を経て恋い続けるのは、つらいことになっては困る。いとしいと思うこの機会に早く逢いたい。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌上 233
詞書「題しらず」
天の川が流れるように時を経て恋い続けると、つらいことになるかもしれないので、いとしいと思うこの機会に早く逢いたいと詠んだ歌である。年に一度しか逢えない七夕の恋を踏まえ、待ち続けることを恐れて今の逢瀬を願っている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「天の河」は、天の川、の意で、次の「流れて」を導いている。
二句「流れて恋ひは」の「流れて」は、川が流れる意と、時が経つ意を重ね、長い時を経て恋い続けることは、の意である。本巻の第二百四十二首も「天の河流れて恋ふる」と同じ句を用いている。
三句「憂くもぞある」の「もぞ」は、そうなっては困る、という危惧を表し、つらいことになっては困る、の意である。係助詞「ぞ」と連体形「ある」が係り結びをなし、ここで句切れとなる。三句は字余りである。
四句「あはれと思ふ」は、いとしいと思う、の意である。
結句「瀬に早く見む」の「瀬」は、川の浅瀬の意と、機会、折の意を重ねている。「む」は意志の助動詞で、早く逢おう、の意である。「瀬」は「天の河」「流れ」の縁語である。
せ:川の浅瀬、また、機会、折
みる:逢う、夫婦として連れ添う
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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類なき物とは我ぞなりぬべき たなばたつめは人目やは守る
- 次の歌
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玉かづら絶えぬものからあらたまの 年の渡りはただ一夜のみ