たらちねの親のいさめしうたた寝は
物思ふ時のわざにぞありける
- 歌の意味
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親がいけないと戒めたうたた寝は、恋の物思いをしている時のしわざであったのだなあ。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 897
詞書は前の歌に続き「題しらず」
親に戒められていたうたた寝は、恋の物思いをしている時にしてしまうものだったのだと、気づいた思いを詠む歌である。恋に悩んで夜も眠れず、昼につい寝入ってしまう自分に、かつての親の戒めの意味を悟る心を詠んでいる。
なお本文の四句は「物思ふ時の」とあり、読み仮名の行の「おもおもふときの」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。
初句「たらちねの」は、「親」にかかる枕詞である。本巻の第八百九十五首と同じ初句と二句で、親を詠む歌が呼応している。
二句「親のいさめし」は、親が戒めた、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
三句「うたた寝は」は、うとうとと仮寝をすることは、の意である。前歌の第八百九十六首の「いこそ寝られね」を受け、眠れぬ夜の後のうたた寝を詠んでいる。
四句「物思ふ時の」は、恋の物思いをする時の、の意である。
結句「わざにぞありける」は、しわざであったのだなあ、の意で、係助詞「ぞ」を受けて過去の助動詞「けり」の連体形「ける」で結んでいる。「けり」は気づきの詠嘆を表す。
いさむ:諫む。戒める。忠告する
うたたね:転寝。うとうとと仮寝をすること
わざ:業。しわざ。行い
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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いさやまだ恋てふことも知らなくに こやそなるらんいこそ寝られね
- 次の歌
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うちとなく慣れもしなまし玉簾 たれ年月を隔てそめけん