玉かづら絶えぬものからあらたまの
年の渡りはただ一夜のみ
- 歌の意味
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絶えることのない仲であるのに、年に一度の渡りは、ただ一夜だけだ。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌上 234
詞書「題しらず」
織女と彦星の仲は絶えることがないのに、年に一度の渡りはただ一夜だけだと詠んだ歌である。永遠に続く仲と、わずか一夜の逢瀬との対比に、七夕の恋の切なさを表している。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「玉かづら」は、つる草が長く伸びることから「絶ゆ」などにかかる枕詞である。
二句「絶えぬものから」の「ものから」は逆接の接続助詞で、絶えることがないのに、の意である。本巻の第二百二十六首の「絶えぬ別れ」が絶えない別れを嘆いたのに対し、本歌は絶えない仲を詠んでいる。
三句「あらたまの」は、「年」にかかる枕詞である。
四句「年の渡りは」は、年に一度の渡りは、の意で、七夕の夜に天の川を渡ることを示す。本巻の第二百三十六首も「年の渡り」を詠み込んでいる。
結句「ただ一夜のみ」は、ただ一夜だけ、の意で、体言止めにより、短い逢瀬の切なさを余韻として残している。
たまかづら:つる草の美称、「絶ゆ」などにかかる枕詞
としのわたり:年に一度、七夕の夜に天の川を渡ること
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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天の河流れて恋ひは憂くもぞある あはれと思ふ瀬に早く見む
- 次の歌
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秋の夜の心もしるく七夕の 逢へる今宵は明けずもあらなん