秋の夜の心もしるく七夕の
逢へる今宵は明けずもあらなん
- 歌の意味
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長いという秋の夜の性質のとおりに、織女が逢っている今夜は、明けないでいてほしい。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌上 235
詞書「題しらず」
秋の夜は長いものであるから、その性質のとおりに、織女が逢っている今夜はいっそ明けないでほしいと願った歌である。年に一度の逢瀬を惜しむ心を、秋の夜長に託している。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「秋の夜の」は、秋の夜の、の意で、夜長の季節であることを示す。本巻の第二百四十七首も同じ初句「秋の夜の」を置き、秋の夜の別れを詠んでいる。
二句「心もしるく」の「心」は、そのものの本性、性質、の意、「しるく」は、はっきりと、その通りに、の意で、長いという秋の夜の性質のとおりに、の意である。
三句「七夕の」は、織女が、の意で、四句の「逢へる」の主語となっている。
四句「逢へる今宵は」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、逢っている今夜は、の意である。
結句「明けずもあらなん」の「なん」は他に対する願望を表す終助詞で、明けないでいてほしい、の意である。
こころ:そのものの本性、性質
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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玉かづら絶えぬものからあらたまの 年の渡りはただ一夜のみ
- 次の歌
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契りけむ言の葉今は返してむ 年の渡りに寄りぬるものを