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我や憂き人やつらきとちはやぶる
神てふ神に問ひ見てしかな

歌の意味
私がいやな者なのか、あの人が薄情なのかと、神という神すべてに問いただしてみたいものだ。
鑑賞
巻第十四 恋歌四 868

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 恋がうまくいかないのは、自分がいやな者だからか、相手が薄情だからか、神という神に問いただしてみたいと詠む歌である。どちらに非があるのか自分では決めかねる恋の悩みを、神に判定を求めるという大胆な発想で詠んでいる。
 前歌に続き、神にかかわる一連の歌である。

 初句「我や憂き」は、私がいやな者なのか、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
 二句「人やつらきと」は、あの人が薄情なのか、と、の意である。初句と二句で「や」を重ねた対句になっている。
 三句「ちはやぶる」は、「神」にかかる枕詞である。本巻の巻末の第九百二十四首の初句も「ちはやふる」で、神を詠む歌として呼応している。
 四句「神てふ神に」は、神という神に、あらゆる神に、の意で、「てふ」は「といふ」がつまった形である。
 結句「問ひ見てしかな」は、問いただしてみたいものだ、の意で、「てしかな」は願望を表す。

とふ:問ふ。たずねる。問いただす
作者
よみ人しらず
出典
拾遺和歌集
前の歌
石上布留の社の木綿襷 かけてのみやは恋ひむと思ひし
次の歌
住吉の現人神に誓ひても 忘るる君が心とぞ聞く