夢よりもはかなきものはかげろふの
ほのかに見えし影にぞありける
- 歌の意味
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夢よりもはかないものは、かげろうのように、ほのかに見えたあの人の姿であった。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 733
詞書は前の歌に続き「女につかはしける」
夢よりもはかないものは、かげろうのようにほのかに見えたあの人の姿であったと詠む歌である。はかないものの代表である夢よりも、さらにはかないものとして、わずかに見えた面影を挙げ、とらえようのない恋しさを表している。前歌の第七百三十二首と同じく、ほのかに見た人への思いを詠んでいる。
初句「夢よりも」は、夢よりも、の意で、はかないものの代表である夢と比べている。
二句「はかなきものは」は、はかないものは、の意である。
三句「かげろふの」は、陽炎のように、の意で、ゆらめいてとらえがたいものをいう。結句の「影」と音を響かせている。
四句「ほのかに見えし」は、ほのかに見えた、の意で、前歌の第七百三十二首の四句「ほのかに見てぞ」と同じ語を共有している。
結句「影にぞありける」は、姿であった、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形の「ける」で結ぶ係り結びである。
かげろふ:陽炎。日差しで空気がゆらめいて見える現象
かげ:影。姿、面影
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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よそにてもありにしものを花すすき ほのかに見てぞ人は恋しき
- 次の歌
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夢のごとなどか夜しも君を見む 暮るる待つ間も定めなき世を