玉江漕ぐ葦刈り小舟さし分けて
誰を誰とか我は定めん
- 歌の意味
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玉江を漕ぐ葦刈りの小舟が、茂る葦を棹さし分けて進むように、多くの人の中から、誰を誰と区別して、私は一人に定められようか。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌四 1251
詞書「人々あまた知りて侍りける女のもとに、友だちのもとより、このごろは思ひ定めたるなめり、頼もしきことなりと、戯れおこせて侍りければ」
玉江を漕ぐ葦刈り小舟が葦をさし分けて進むように、誰を誰と私は定めようか、と詠んだ歌である。言い寄る男たちの多さを茂る葦にたとえ、一人に決めることなどできないと、友の冷やかしを機知で受け流している。
詞書によれば、多くの男と交際していた女のもとに、友だちから、近ごろは相手を一人に決めたようだ、頼もしいことだと冗談めかして言ってきたので、詠んだ歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「玉江漕ぐ」は、玉江を漕ぐ、の意で、玉江は葦の名所として詠まれた入り江の歌枕である。
二句「葦刈り小舟」は、葦を刈る小さな舟、の意で、茂る葦に多くの男たちを重ねている。
三句「さし分けて」は、棹をさして葦を分けて、の意で、ここまでが四句以下を導く序となっている。
四句「誰を誰とか」は、誰を誰と、の意で、「か」は反語の係助詞である。
結句「我は定めん」は、私は定められようか、いや定められない、の意で、四句の「か」を受けて連体形「定めん」で結ぶ係り結びとなっている。詞書の「思ひ定めたる」を受けている。
たまえ:葦の名所として詠まれた入り江の歌枕
あしかりをぶね:葦を刈るための小舟
さしわく:棹をさして分けて進む
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
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我が宿にあひ宿りして住む蛙 夜になればや物は悲しき
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