逢ふことをまつにて年の経ぬるかな
身は住の江に生ひぬものゆゑ
- 歌の意味
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逢うことを待つばかりで、年を経てしまったことだ。我が身は住の江に生えている松でもないのに。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 626
詞書は前の歌に続き「題しらず」
逢うことを待ち続けて年を経てしまったことだ、我が身は住の江に生えている松ではないのに、と詠む歌である。住の江の名物である松に「待つ」を掛け、松のように長い年月を待ち続けた自分を嘆いている。松でもないのに松のように待つほかないという、待つ恋のつらさを表している。
初句「逢ふことを」は、逢うことを、の意で、第六百八十首、第六百八十一首の初句「逢ふことを」と同じ句である。
二句「まつにて年の」は、「まつ」が「待つ」と「松」を掛ける掛詞で、逢うことを待つうちに年が、の意を表す。
三句「経ぬるかな」は、経てしまったことだ、の意で、「ぬる」は完了の助動詞「ぬ」の連体形、「かな」は詠嘆を表す。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「身は住の江に」は、我が身は住の江に、の意で、住の江は摂津国の歌枕で、松の名所である。
結句「生ひぬものゆゑ」は、生えているわけではないのに、の意で、「ものゆゑ」は逆接を表す。倒置して三句に返っている。
まつ:「待つ」と、住の江の「松」を掛ける
すみのえ:住の江。摂津国の歌枕。松の名所
おふ:生ふ。生える
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
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嘆きあまりつひに色にぞ出でぬべき 言はぬを人の知らばこそあらめ
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音に聞く人に心をつくばねの みねど恋しき君にもあるかな