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我が宿にあひ宿りして住む蛙
夜になればや物は悲しき

歌の意味
私の家に同じ宿の者として一緒に住んでいる蛙よ。夜になったからだろうか、なんとも物悲しいことだ。
鑑賞
巻第十八 雑歌四 1250

詞書「蛙を聞きて」
 私の家に同宿して住む蛙が鳴くのを聞き、夜になったからか物悲しい、と詠んだ歌である。同じ家に住む蛙を同居人のように見立て、夜に響くその声に、自らの物悲しさを重ねている。
 詞書によれば、蛙の鳴く声を聞いて詠んだ歌である。雑歌四の巻頭に、身近な生き物の声に寄せて心を述べる歌を置いている。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。

 初句「我が宿に」は、私の家に、の意である。
 二句「あひ宿りして」は、同じ宿に一緒に宿って、の意で、「あひ」は、共に、の意を添える。蛙を同じ家に住む者のように見立てている。
 三句「住む蛙」は、住んでいる蛙が、の意で、蛙は鳴く声を愛でられる生き物として詠まれる。
 四句「夜になればや」は、夜になったからだろうか、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
 結句「物は悲しき」は、物悲しいことだ、の意で、四句の「や」を受けて連体形「悲しき」で結ぶ係り結びとなっている。

あひやどり:同じ宿に一緒に泊まること、同居すること
かはづ:蛙、鳴く声を愛でられる
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
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