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陸奥の尾駮の駒も野飼ふには
荒れこそまされなつくものかは

歌の意味
陸奥の尾駮の牧の駒も、野に放し飼いにしていては、荒々しさが増すばかりで、人になつくものだろうか。
鑑賞
巻第十八 雑歌四 1252

詞書「男の初めいかに思へるさまにかありけん、女の気色も心解けぬを見て、あやしく思はぬさまなることと言ひ侍りければ」
 陸奥の尾駮の駒も野に放して飼えば荒れるばかりで、なつくものか、と詠んだ歌である。通いが途絶えがちで放っておかれる自分を野飼いの駒にたとえ、うちとけないのはあなたのせいだと男に言い返している。
 詞書によれば、男が初めはどのように思っていたのか、女の様子もうちとけないのを見て、妙に自分を思っていないようだと言ったので、女が詠んだ歌である。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。

 初句「陸奥の」は、陸奥の国の、の意である。
 二句「尾駮の駒も」は、陸奥の尾駮の牧の馬も、の意で、尾駮は馬の産地として知られる歌枕である。
 三句「野飼ふには」は、野に放して飼っていては、の意で、男が通って来ずに放っておかれる身をたとえている。
 四句「荒れこそまされ」は、荒々しさが増すばかりで、の意で、「こそ」を受けて已然形「まされ」で結び、逆接の気持ちで下に続いている。
 結句「なつくものかは」は、なつくものか、いやなつきはしない、の意で、「かは」は反語を表す。

をぶち:陸奥の国の地名、尾駮の牧で知られる歌枕
こま:馬
のがふ:野に放して飼う
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
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玉江漕ぐ葦刈り小舟さし分けて 誰を誰とか我は定めん
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いづくとて尋ね来つらん玉かづら 我は昔の我ならなくに