君来ずは誰に見せまし我が宿の
垣根に咲ける朝顔の花
- 歌の意味
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あなたが来なかったならば、誰に見せたらよかったのだろう。我が家の垣根に咲いている朝顔の花を。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 155
詞書「題しらず」
我が家の垣根に咲いた朝顔の花を、あなたが来てくれなかったら誰に見せればよかったのか、と来訪を喜ぶ歌である。はかない朝顔の美しさを分かち合える相手がいる喜びが表れている。
初句「君来ずは」は、あなたが来なかったならば、の意である。
二句「誰に見せまし」は、誰に見せたらよかっただろう、の意で、「まし」は反実仮想の助動詞である。ここで句切れとなる。巻第二の第百三十二首にも同じ「誰に見せまし」が用いられ、見せる相手を失った嘆きを詠む同歌と、見せる相手を得た喜びを詠む本歌とで反転した構図をなしている。
三句「我が宿の」は、自分の家の、の意である。
四句「垣根に咲ける」は、垣根に咲いている、の意で、「る」は存続の助動詞「り」の連体形である。
結句「朝顔の花」は体言止めで、朝に咲いて昼にはしぼむ朝顔で一首を結ぶ。七夕の一連の後、本歌から秋の草花を詠む歌が続く。
あさがほ:朝に咲く花。古くはムクゲやキキョウをさすともいう。本文では「槿」の字を当てる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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我が祈ることは一つぞ天の川 そらに知りても違へざらなん
- 次の歌
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女郎花多かる野辺に花すすき いづれをさして招くなるらん