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紅葉葉の色をし添へて流るれば
浅くも見えず山川の水

歌の意味
紅葉の色を添えて流れているので、浅い山川の水も浅くは見えないことだ。
鑑賞
巻第三 秋歌 194

詞書「題しらず」
 山の川が紅葉の葉を浮かべて流れているので、その色の深さによって、浅い山川の水も浅くは見えないと詠む歌である。紅葉の色の濃さを、水の深さに置き換えて言いなした機知の歌である。

 初句「紅葉葉の」は、紅葉した葉をいう。
 二句「色をし添へて」は、色を添えて、の意で、「し」は強意の副助詞である。
 三句「流るれば」は、流れているので、の意で、「ば」は確定条件を表す。
 四句「浅くも見えず」は、浅くも見えない、の意で、色の深さと水の深さとを重ねている。ここで句切れとなる。
 結句「山川の水」は体言止めで、倒置によって見えるものを最後に示す。本歌から、紅葉が水に流れ、また水に映る景を詠む歌が続く。

もみぢば:紅葉した葉。紅葉葉
やまがは:山中を流れる川。山川
作者
よみ人しらず
出典
拾遺和歌集
前の歌
紅葉見に宿れる我と知らねばや 佐保の川霧立ち隠すらん
次の歌
紅葉葉を今日はなほ見ん暮れぬとも をぐらの山の名には障らじ