天の河岩越す波の立ち居つつ
秋の七日の今日をしぞ待つ
- 歌の意味
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天の川の岩を越す波が立ったり寄せたりするように、立ったり座ったりしながら、秋の七日の今日を待っていたのだ。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌上 240
詞書は前の歌に続き「七夕を詠める」
天の川の岩を越える波が立ったり寄せたりするように、落ち着かず立ったり座ったりしながら、秋の七日の今日を待っていたと詠んだ歌である。年に一度の逢瀬を待ちわびる落ち着かない心を、波の動きにたとえている。
本巻の第二百三十九首から第二百四十七首までは、詞書「七夕を詠める」のもとに九首の七夕の歌が並び、天の川を隔てた織女と彦星の逢瀬をさまざまな面から詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「天の河」は、天の川、の意で、前歌の初句を受けている。
二句「岩越す波の」は、岩を越えて打ち寄せる波の、の意で、初句から二句までが「立ち居」を導く序詞となっている。
三句「立ち居つつ」は、波が立ったり寄せたりする意と、人が立ったり座ったりする意を重ね、落ち着かないさまを表す。「つつ」は反復を表す。
四句「秋の七日の」は、七月七日の、の意で、七夕の日を示している。
結句「今日をしぞ待つ」の「し」は強意の副助詞、係助詞「ぞ」と連体形「待つ」が係り結びをなし、今日こそを待っていたのだ、の意である。
たちゐ:立ったり座ったりすること、また波が立ったり静まったりすること
なぬか:七日
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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天の河遠き渡りはなけれども 君が舟出は年にこそ待て
- 次の歌
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今日よりは天の河原はあせななん そこひともなくただ渡りなん