秋来れば川霧わたる天の河
川上見つつ恋ふる日の多き
- 歌の意味
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秋が来ると川霧が一面に立ちわたる天の川の、川上を見やりながら恋い慕う日の多いことよ。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌上 244
詞書は前の歌に続き「七夕を詠める」
秋が来ると川霧の立ちこめる天の川の川上を見やりながら、恋い慕う日が多いことだと詠んだ歌である。川霧にかすむ川上の方を眺めながら、逢瀬の日を待つ長い日々を表している。
本巻の第二百三十九首から第二百四十七首までは、詞書「七夕を詠める」のもとに九首の七夕の歌が並び、天の川を隔てた織女と彦星の逢瀬をさまざまな面から詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「秋来れば」は、秋が来ると、の意で、「ば」は順接の確定条件を表す。本巻の第二百六十二首も同じ初句「秋来れば」を置いている。
二句「川霧わたる」は、川霧が一面に立ちわたる、の意である。
三句「天の河」は、天の川、の意で、一連のほかの歌が初句に置くのに対し、本歌は三句に置いている。
四句「川上見つつ」は、川上を見やりながら、の意で、「つつ」は継続を表す。「川霧」「川上」と「川」を重ねている。
結句「恋ふる日の多き」は、恋い慕う日が多いことよ、の意で、形容詞の連体形で止めて詠嘆を表している。
かはぎり:川に立ちこめる霧
かはかみ:川の上流
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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天の河瀬々の白波高けれど ただ渡り来ぬ待つに苦しみ
- 次の歌
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天の河恋しき瀬にぞ渡りぬる たぎつ涙に袖は濡れつつ