秋の野の露に置かるる女郎花
払ふ人なみ濡れつつや経る
- 歌の意味
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秋の野の露に置かれている女郎花は、露を払ってくれる人がいないので、濡れたまま日を過ごしているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 275
詞書は前の歌に続き「同じ御時の女郎花合に」
秋の野で露に置かれている女郎花は、露を払ってくれる人もいないので、濡れたまま日を過ごしているのだろうかと思いやった歌である。女郎花を、訪れる人もなく涙に濡れて暮らす女になぞらえている。
本巻の第二百七十四首から第二百七十六首までは、同じ女郎花合の歌が三首並んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「秋の野の」は、秋の野の、の意で、本巻の第二百七十二首の三句と同じ語である。
二句「露に置かるる」の「るる」は受身の助動詞「る」の連体形で、露に置かれている、の意である。
三句「女郎花」は、前歌と同じく女性になぞらえられている。
四句「払ふ人なみ」の「なみ」は、ないので、の意で、いわゆるミ語法である。露を払ってくれる人がいないので、の意である。
結句「濡れつつや経る」の「や」は疑問の係助詞で、連体形「経る」と係り結びをなし、濡れたまま日を過ごしているのだろうか、の意である。露には涙が重ねられている。
ふ:時を過ごす、月日を送る
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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折るからにわが名は立ちぬ女郎花 いざ同じくは花々に見む
- 次の歌
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女郎花花の心のあだなれば 秋にのみこそ逢ひわたりけれ