夜とても寝られざりけり人知れず
寝覚めの恋に驚かれつつ
- 歌の意味
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夜だからといっても眠ることができなかった。人に知られないまま、寝覚めて恋しく思う心にはっと目を覚まされては。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 801
詞書「題しらず」
夜になっても眠れなかった、人知れず寝覚めの恋心に何度も目を覚まされてと詠む歌である。昼だけでなく夜も恋に心をかき乱され、人に知られぬまま眠れずに過ごす苦しさを詠んでいる。
初句「夜とても」は、夜だからといっても、の意である。
二句「寝られざりけり」は、眠ることができなかった、の意で、「れ」は可能の助動詞「る」の未然形、「けり」は気づきの詠嘆を表す。ここで句切れとなる。前歌の第八百首が寝る夜に夢を見ると詠むのに対し、この歌は眠ることもできないと詠み、対をなしている。
三句「人知れず」は、人に知られないまま、の意である。
四句「寝覚めの恋に」は、夜中に目覚めた時の恋しさに、の意である。
結句「驚かれつつ」は、はっと目を覚まされては、の意で、「れ」は自発の助動詞「る」の連用形、「つつ」は反復を表す。倒置によって二句に返っている。
ねざめ:寝覚め。夜中に目を覚ますこと
おどろく:驚く。はっと目を覚ます
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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忘れなん今は問はじと思ひつつ 寝る夜しもこそ夢に見えけれ
- 次の歌
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むばたまの妹が黒髪今宵もや 我がなき床になびき出でぬらん