おほかたも秋はわびしき時なれど
露けかるらん袖をしぞ思ふ
- 歌の意味
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世間一般でも秋はわびしい時節だけれど、涙の露に濡れているだろうあなたの袖をこそ思うことだ。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 278
詞書「御返し」
世間一般でも秋はわびしい時節であるが、とりわけ涙に濡れているであろうあなたの袖を思いやると返した歌である。母を亡くした更衣の悲しみを、帝が深くいたわっている。
前歌の第二百七十七首と贈答をなす。
作者の「延喜御製」は醍醐天皇である。宇多天皇の第一皇子で、その治世は延喜の治と称えられた。紀貫之らに命じて古今和歌集を撰ばせた。
初句「おほかたも」は、世間一般でも、だいたいにおいても、の意である。
二句「秋はわびしき」は、秋はわびしい、の意で、前歌の結句「秋のわびしさ」を受けている。
三句「時なれど」の「ど」は逆接の確定条件で、時節であるけれど、の意である。
四句「露けかるらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、涙の露に濡れているだろう、の意である。前歌の「露置き添ふる」を受けている。
結句「袖をしぞ思ふ」の「し」は強意の副助詞、係助詞「ぞ」と連体形「思ふ」が係り結びをなし、その袖をこそ思う、の意である。
おほかた:世間一般、ふつう
- 作者
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醍醐天皇
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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五月雨に濡れにし袖にいとどしく 露置き添ふる秋のわびしさ
- 次の歌
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白露の変はるも何か惜しからん ありての後もやや憂きものを