秋の野に置く白露を今朝見れば
玉や敷けると驚かれつつ
- 歌の意味
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秋の野に置いた白露を今朝見ると、玉を敷きつめたのかと、はっと驚かされることだ。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 309
詞書は前の歌に続き「延喜御時、歌召しければ」
秋の野に置いた白露を今朝見ると、玉が敷きつめてあるのかと驚かされると詠んだ歌である。朝の光に一面に輝く露を、敷きつめた玉に見立てている。
本巻の第三百六首から第三百九首までは、詞書「延喜御時、歌召しければ」のもとに白露の歌が四首並んでいる。本歌はその四首目である。
作者の「ただみね」は壬生忠岑である。古今和歌集の撰者の一人で、右衛門府生などを務めた。歌論書の和歌体十種の作者とされ、三十六歌仙の一人である。小倉百人一首には「有明のつれなく見えし別れより」の歌が採られている。
初句「秋の野に」は、秋の野に、の意である。本巻の第三百十二首も同じ初句で始まる。
二句「置く白露を」は、置いている白露を、の意で、本巻の第三百十二首も二句に「置く白露の」を置いている。
三句「今朝見れば」の「ば」は順接の確定条件で、今朝見ると、の意である。
四句「玉や敷けると」の「や」は疑問の係助詞、「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、玉が敷きつめてあるのかと、の意である。前歌の散る玉に対し、本歌は敷きつめた玉を詠んでいる。
結句「驚かれつつ」の「れ」は自発の助動詞「る」の連用形、「つつ」は反復を表し、はっと驚かされることだ、の意である。
しく:一面に敷きつめる
- 作者
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壬生忠岑
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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白露に風の吹きしく秋の野は 貫き留めぬ玉ぞ散りける
- 次の歌
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置くからに千草の色になるものを 白露とのみ人の言ふらん