置くからに千草の色になるものを
白露とのみ人の言ふらん
- 歌の意味
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置くとすぐに、さまざまな草の色に染まるのに、どうして人は白露とばかり言うのだろう。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 310
詞書「題しらず」
露は草に置くとすぐにさまざまな草の色に染まるのに、どうして人は白露とばかり言うのだろうと詠んだ歌である。「白露」という呼び名を取り上げ、千草の色と「白」との対比で、露の見え方の不思議を機知的に捉えている。
前歌までの露を玉と見る歌に続き、本歌は露の色を詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「置くからに」の「からに」は、するとすぐに、の意で、置くとすぐに、の意である。本巻の第二百七十四首も初句に「折るからに」を置いている。
二句「千草の色に」は、さまざまな草の色に、の意である。本巻の第三百三十五首も「千草に置ける玉」と、千草に置く露を詠んでいる。
三句「なるものを」の「ものを」は逆接の接続助詞で、なるのに、の意である。
四句「白露とのみ」は、白露とばかり、の意で、千草の色に対して「白」を置き、色の対比を示している。
結句「人の言ふらん」の「らん」は原因を推量する助動詞で、どうして人は言うのだろう、の意である。
ちくさ:さまざまな草
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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秋の野に置く白露を今朝見れば 玉や敷けると驚かれつつ
- 次の歌
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白玉の秋の木の葉に宿れると 見ゆるは露のはかるなりけり