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白玉の秋の木の葉に宿れると
見ゆるは露のはかるなりけり

歌の意味
白玉が秋の木の葉に宿っていると見えるのは、露が人を欺こうとたくらんでいるのであった。
鑑賞
巻第六 秋歌中 311

詞書「題しらず」
 白玉が秋の木の葉に宿っているように見えるのは、露が人をだまそうとたくらんでいたのだと詠んだ歌である。露を玉と見誤ったことを、露のはかりごとのせいにした機知の歌である。
 前歌が露の色を詠んだのに続き、本歌は再び露を玉に見立てている。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。

 初句「白玉の」は、白い美しい玉が、の意である。巻第五巻末の第二百七十首も「白玉」を詠んでいる。
 二句「秋の木の葉に」は、秋の木の葉に、の意で、本巻の白露の歌の多くが草を詠むのに対し、本歌は木の葉を詠んでいる。
 三句「宿れると」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、宿っていると、の意である。
 四句「見ゆるは露の」は、見えるのは露が、の意である。
 結句「はかるなりけり」の「はかる」は、たくらむ、だます、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。たくらんでいるのであった、の意である。

はかる:たくらむ、だます
しらたま:白い美しい玉、真珠
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
前の歌
置くからに千草の色になるものを 白露とのみ人の言ふらん
次の歌
秋の野に置く白露の消えざらば 玉に貫きてもかけて見てまし