秋の野に置く白露の消えざらば
玉に貫きてもかけて見てまし
- 歌の意味
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秋の野に置く白露が消えないものならば、玉として糸に通してでも、掛けて見ように。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 312
詞書「題しらず」
秋の野に置く白露が消えないものならば、玉として糸に通して掛けて眺めようにと詠んだ歌である。消えてしまう露のはかなさを惜しみ、かなわぬ願いを表している。
本巻の第三百五首、第三百七首に続き、露を玉として糸に通すことを詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「秋の野に」は、秋の野に、の意で、本巻の第三百九首と同じ初句である。
二句「置く白露の」は、置いている白露が、の意で、第三百九首の二句「置く白露を」と同じ語である。
三句「消えざらば」の「ざら」は打消の助動詞「ず」の未然形、「ば」は順接の仮定条件で、消えないならば、の意である。
四句「玉に貫きても」は、玉として糸に通してでも、の意である。本巻の第三百五首の「消たずて玉に貫く」と同じ願いを詠んでいる。
結句「かけて見てまし」の「まし」は反実仮想の助動詞で、三句と呼応し、掛けて見ようものを、の意である。
ぬく:糸などを通してつらねる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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白玉の秋の木の葉に宿れると 見ゆるは露のはかるなりけり
- 次の歌
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唐衣袖朽つるまで置く露は わが身を秋の野とや見るらん