秋の夜の月の影こそ木の間より
落ち葉衣と身にうつりけれ
- 歌の意味
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秋の夜の月の光は、木の間から漏れて、落ち葉の衣のように、わが身に映り移ったことだ。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 318
詞書は前の歌に続き「秋歌とてよめる」
秋の夜の月の光が木の間から漏れて、落ち葉を散らした衣のように、まだらにわが身に映ったと詠んだ歌である。木の間を漏れる月光の模様を、落ち葉の衣に見立てている。
本巻の第三百十八首から第三百二十首までは、詞書「秋歌とてよめる」のもとに、秋の夜の月を詠むよみ人しらずの歌が三首並んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「秋の夜の」は、秋の夜の、の意で、本巻の第三百二十首、第三百二十三首も同じ初句で始まっている。
二句「月の影こそ」の「影」は光の意で、「こそ」は係助詞である。
三句「木の間より」は、木の間から、の意で、月光が木々の間を漏れてくることを示す。
四句「落ち葉衣と」は、落ち葉を散らした衣のように、の意で、まだらに漏れる月光を衣の模様に見立てている。
結句「身にうつりけれ」の「うつり」は、光が「映る」意と、色が「移る」意を掛けた掛詞で、二句の「こそ」と已然形「けれ」が係り結びをなす。次歌の第三百十九首も初句に「袖に映る」を置いている。
うつる:光が「映る」意と、色が「移る」意を掛ける
かげ:光、月の光
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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幾世経て後か忘れん散りぬべき 野辺の秋萩みがく月夜を
- 次の歌
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袖に映る月の光は秋ごとに 今宵変はらぬ影と見えつつ