霞分けいまかり帰るものならば
秋来るまでは恋ひやわたらん
- 歌の意味
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霞を分けて今、雁が北へ帰っていくのならば、秋が来るまで、恋しく思い続けるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 物名 415
詞書「まかり」
霞を分けて今、雁が北へ帰っていくのならば、秋にまた来るまで恋しく思い続けることになるのだろうかと詠む歌である。春に去る雁を惜しむ心を詠み、二句の「いまかり」の音の続きに、詞書の「鋺」の名を隠している。詞書の「まかり」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
初句「霞分け」は、霞を分けて、の意である。
二句「いまかり帰る」は、今、雁が帰っていく、の意で、「まかり」の名を隠している。前歌の鶯に続き、春の鳥が詠まれる。
三句「ものならば」は、のであるならば、の意で、仮定を表す。
四句「秋来るまでは」は、秋が来るまでは、の意で、雁が秋に再び渡ってくることを踏まえている。
結句「恋ひやわたらん」は、恋しく思い続けるのだろうか、の意で、係助詞「や」を受けて連体形「らん」で結ぶ。
まかり:金属製の椀。鋺。「今雁」の音の続きに隠して詠み込む
わたる:ある状態を続ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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春風のけさはやければ鶯の 花の衣もほころびにけり
- 次の歌
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思ふどちところもかへず住みへなん たちはなれなば恋しかるべし