秋の夜の月に重なる雲晴れて
光さやかに見るよしもがな
- 歌の意味
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秋の夜の月に重なっている雲が晴れて、その光をはっきりと見る手立てがあればよいのに。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 320
詞書は前の歌に続き「秋歌とてよめる」
秋の夜の月にかかる雲が晴れて、その光をはっきりと見る手立てがあればよいのにと願った歌である。雲に隠れがちな秋の月を惜しむ心を表している。
本巻の第三百十八首から第三百二十首までは、詞書「秋歌とてよめる」のもとに、秋の夜の月を詠むよみ人しらずの歌が三首並んでいる。本歌はその三首目である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「秋の夜の」は、秋の夜の、の意で、本巻の第三百十八首と同じ初句である。
二句「月に重なる」は、月に重なっている、の意で、月を覆う雲を示している。
三句「雲晴れて」は、雲が晴れて、の意である。本巻の第三百四十首は、雲に隠れる月を嘆いている。
四句「光さやかに」の「さやかに」は、はっきりと、明るく、の意である。
結句「見るよしもがな」の「よし」は方法、手立ての意、「もがな」は願望の終助詞で、見る手立てがあればよいのに、の意である。
よし:方法、手立て
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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袖に映る月の光は秋ごとに 今宵変はらぬ影と見えつつ
- 次の歌
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秋の池の月の上に漕ぐ舟なれば 桂の枝に棹やさはらん