- 歌の意味
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秋の夜の月の光は清らかだけれども、人の心の奥の暗いところまでは照らさない。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 323
詞書「是貞の親王の家の歌合に」
秋の夜の月の光は清らかであるが、人の心の奥に隠れた暗いところまでは照らさないと詠んだ歌である。どれほど明るい月でも、人の心の内は見通せないことを嘆いている。
詞書によれば、光孝天皇の皇子是貞親王の家で行われた歌合で詠まれたものである。本巻の第三百二十三首、第三百二十四首は、ともに是貞親王の家の歌合の歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「秋の夜の」は、秋の夜の、の意で、本巻の第三百十八首、第三百二十首と同じ初句である。
二句「月の光は」は、月の光は、の意で、本巻の第三百十九首の二句と同じ語である。
三句「清けれど」の「ど」は逆接の確定条件で、清らかだけれども、の意である。
四句「人の心の」は、人の心の、の意で、月の光と人の心とを対比させている。
結句「隈は照らさず」の「隈」は、物陰や奥まった暗いところの意で、心の奥の隠れたところは照らさない、の意である。
くま:物陰や奥まった暗いところ、隠しごと
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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秋の海に映れる月を立ち返り 波は洗へど色も変はらず
- 次の歌
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秋の月常にかく照るものならば 闇に経る身はまじらざらまし