- 歌の意味
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秋風に吹かれて、夜が更けるにつれていっそう冴えていく月の光を、立ちこめて隠さないでくれ、天の川の霧よ。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 336
詞書「八月十五夜」
秋風が吹き、夜が更けるにつれていっそう冴えていく月の光を、天の川の霧よ、立ちこめて隠さないでくれと呼びかけた歌である。中秋の名月を霧に隠されまいと惜しむ心を表している。
詞書によれば、八月十五夜に詠んだものである。本巻の第三百二十五首、第三百二十六首も同じ詞書「八月十五夜」のもとにある。
作者の藤原清正は堤中納言藤原兼輔の子で、紀伊守などを務めた。三十六歌仙の一人である。
初句「秋風に」は、秋風が吹いて、の意である。本巻の第三百三十首と同じ初句である。
二句「いとど更けゆく」は、いっそう夜が更けていく、の意である。
三句「月影を」は、月の光を、の意である。
四句「立ちな隠しそ」の「な〜そ」は禁止を表し、立ちこめて隠さないでくれ、の意である。ここで句切れとなる。
結句「天の河霧」は、天の川に立つ霧、の意で、四句と倒置の関係にあり、呼びかけの相手を最後に示している。本巻の第三百二十九首、第三百三十首の天の川を流れる月に対し、本歌は月を隠す天の川の霧を詠んでいる。
かはぎり:川に立ちこめる霧
つきかげ:月の光
- 作者
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藤原清正
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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貫きとむる秋しなければ白露の 千草に置ける玉もかひなし
- 次の歌
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女郎花匂へる秋の武蔵野は 常よりもなほむつましきかな