散りぬべき花見る時は菅の根の
長き春日も短かりけり
- 歌の意味
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今にも散ってしまいそうな花を見る時は、長い春の日も短いものであった。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 57
詞書「天暦御時御屏風に」
今にも散りそうな花を見ていると、ふだんは長く感じる春の日も短く思われると詠む。惜しむ気持ちが時間の感じ方を変えることを、長短の対比でとらえた歌である。詞書によれば、村上天皇の天暦の御代の御屏風に添えた歌である。
作者の「藤原清正」は堤中納言藤原兼輔の子で、三十六歌仙の一人に数えられる。
初句「散りぬべき」は、「ぬべし」が今にもそうなりそうだという強い推量を表し、散ってしまいそうな、の意である。
二句「花見る時は」は、花を見る時には、の意である。
三句「菅の根の」は「長き」にかかる枕詞で、菅の根が長いことによる。
四句「長き春日も」は、日の長い春の昼を示す。
結句「短かりけり」は、四句の「長き」と対をなし、「けり」で気づきの詠嘆を表す。
すがのね:菅の根。「長し」「乱る」などにかかる枕詞として用いる
はるび:春の日。春の昼間
- 作者
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藤原清正
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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故里の霞飛び分け行く雁は 旅の空にや春を暮らさむ
- 次の歌
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告げやらん間にも散りなば桜花 いつはり人に我やなりなん