君がいにし方やいづれぞ白雲の
主なき宿と見るが悲しさ
- 歌の意味
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あなたが去って行った方角はどちらなのか。白雲のかかる、主のいない家と見るのが悲しいことだ。
- 鑑賞
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巻第二十 慶賀歌 1416
詞書「敦忠朝臣身まかりてまたの年、かの朝臣の小野なる家見むとて、これかれまかりて、物語りし侍りけるついでに詠み侍りける」
あなたが去った方はどちらか、白雲のかかる主のない家と見るのが悲しい、と詠んだ歌である。亡き敦忠の小野の山荘を訪ね、白雲のかかる主のいない家を前に、その人の去った方を問いながら悲しみを詠んでいる。
詞書によれば、藤原敦忠が亡くなった翌年、敦忠の小野にある家を見ようと人々と出かけ、語り合った折に詠んだ歌である。藤原敦忠は藤原時平の子で、権中納言に至り、小倉百人一首には「逢ひ見ての後の心にくらぶれば」の歌が採られている。
作者の藤原清正は、原文に「清正」とあり、藤原兼輔の子で、三十六歌仙の一人に数えられる。
初句「君がいにし」は、あなたが去って行った、の意で、字余りとなっている。
二句「方やいづれぞ」は、方角はどちらなのか、の意である。ここで句切れとなる。
三句「白雲の」は、白雲の、の意で、山里の家にかかる雲をいう。
四句「主なき宿と」は、主のいない家と、の意である。
結句「見るが悲しさ」は、見るのが悲しいことよ、の意で、体言止めとなっている。
いぬ:去って行く
をの:山城の国の地名、小野
ぬし:主人
- 作者
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藤原清正
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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ふるさとに君はいづらと待ち問はば いづれの空の霞と言はまし
- 次の歌
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わび人の袂に君が移りせば 藤の花とぞ色は見えまし