つれもなき人に負けじとせしほどに
我もあだ名は立ちぞしにける
- 歌の意味
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冷淡なあの人に負けまいと意地を張っていたうちに、私にも浮気者だという評判が立ってしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌三 733
詞書「女のもとにつかはしける」
つれない人に負けまいとしていたうちに、私にも浮いた評判が立ってしまった、と詠んだ歌である。冷たい相手に対抗して意地を張っているうちに、自分まで不実な者のように噂されたと、相手に恨みを言いかけている。
詞書によれば、女のもとへ送った歌である。
作者の「藤原きよたた」は藤原清正である。藤原兼輔の子で、紀伊守などを務めた。三十六歌仙の一人である。
初句「つれもなき」は、冷淡な、つれない、の意である。
二句「人に負けじと」は、あの人に負けまいと、の意で、「じ」は打消の意志を表す。
三句「せしほどに」は、していたうちに、の意である。
四句「我もあだ名は」は、私にも浮気だという評判は、の意である。「我も」の「も」は、つれない相手と同じく自分も、という意を表している。
結句「立ちぞしにける」は、立ってしまったことだ、の意で、「ぞ」は強めの係助詞であり、連体形「ける」で結ぶ係り結びとなっている。
あだな:浮気者だという評判
- 作者
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藤原清正
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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東路に行きかふ人にあらぬ身は いつかは越えむ逢坂の関
- 次の歌
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つらからぬ中にあるこそ疎しといへ 隔てはててし衣にやはあらぬ