秋霧の晴るるはうれし女郎花
立ち寄る人やあらんと思へば
- 歌の意味
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秋霧が晴れるのはうれしい。女郎花のもとに、立ち寄る人もあるだろうかと思うので。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 338
詞書「人につかはしける」
秋霧が晴れるのはうれしい、霧が晴れれば女郎花のもとに立ち寄る人もあるだろうと思うからだと詠んだ歌である。女郎花に寄せて、人の訪れを思う心を表している。
詞書によれば、人のもとへ送ったものである。本巻巻頭の第二百七十一首が立ちこめる秋霧を詠んだのに対し、本歌は秋霧の晴れることを詠んでいる。
作者の兼覧王は文徳天皇の皇子惟喬親王の子で、宮内卿などを務めた。
初句「秋霧の」は、秋霧が、の意で、本巻巻頭の第二百七十一首と同じ初句である。
二句「晴るるはうれし」は、晴れるのはうれしい、の意で、ここで句切れとなる。第二百七十一首の「立ちぬる」に対し、「晴るる」を置いている。
三句「女郎花」は、女郎花、の意で、霧が晴れて見えてくる花を示している。
四句「立ち寄る人や」の「や」は疑問の係助詞で、立ち寄る人が、の意である。「立ち」は霧の縁語でもある。
結句「あらんと思へば」の「ば」は理由を表し、あるだろうと思うので、の意である。二句と倒置の関係にある。
たちよる:近づいて寄る、訪ねる
- 作者
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兼覧王
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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女郎花匂へる秋の武蔵野は 常よりもなほむつましきかな
- 次の歌
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女郎花草むらごとに群れ立つは 誰松虫の声に迷ふぞ