白妙の衣かたしき女郎花
咲ける野辺にぞ今宵寝にける
- 歌の意味
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白い衣の片袖を敷いて、女郎花の咲いている野辺で、今夜は独り寝をしたことだ。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 342
詞書「題しらず」
白い衣の片袖を敷いて、女郎花の咲いている野辺で今夜は寝たと詠んだ歌である。女性になぞらえられる女郎花の咲く野で独り寝をすることに、風流と、ひとりの寂しさとを重ねている。
本巻の第三百四十二首、第三百四十三首は、紀貫之の女郎花の歌が二首並んでいる。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。紀望行の子で、古今和歌集の撰者の中心となり、仮名序を書いた。土佐守などを務め、土佐日記の作者としても知られる。三十六歌仙の一人である。
初句「白妙の」は、白い布の意で、「衣」にかかる枕詞である。
二句「衣かたしき」の「かたしく」は、自分の衣の片袖だけを敷いて寝る、独り寝をする、の意である。
三句「女郎花」は、女郎花、の意で、次の「咲ける野辺」を修飾している。
四句「咲ける野辺にぞ」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、咲いている野辺に、の意である。「ぞ」は係助詞である。本巻の第三百四十五首も「秋の野に夜もや寝なん」と、女郎花の野で寝ることを詠んでいる。
結句「今宵寝にける」は、今夜は寝たことだ、の意で、四句の「ぞ」と連体形「ける」が係り結びをなしている。
かたしく:自分の衣の片袖だけを敷いて寝る、独り寝をする
- 作者
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紀貫之
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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女郎花花の盛りに秋風の 吹く夕暮れを誰に語らん
- 次の歌
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名にし負へばしひて頼まん女郎花 花の心の秋は憂くとも