女郎花色にもあるかな松虫を
もとに宿して誰を待つらん
- 歌の意味
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女郎花は色好みであることよ。松虫を根もとに宿らせておきながら、さらに誰を待っているのだろう。
- 鑑賞
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巻第六 秋歌中 346
詞書「題しらず」
女郎花は色好みであることよ、松虫を根もとに宿らせておきながら、さらに誰を待っているのだろうと詠んだ歌である。「松虫」の名に「待つ」を響かせ、女郎花を、男を住まわせながら別の人を待つ浮気な女になぞらえている。
本巻の第三百三十九首も、女郎花と松虫を取り合わせて詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「女郎花」は、女郎花は、の意である。
二句「色にもあるかな」の「色」は、花の色の意と、色好み、恋愛の情の意を重ねている。「かな」は詠嘆の終助詞で、色好みであることよ、の意である。字余りで、ここで句切れとなる。
三句「松虫を」は、松虫を、の意で、「松」に「待つ」を響かせている。
四句「もとに宿して」の「もと」は根もとの意で、松虫を根もとに宿らせて、の意である。
結句「誰を待つらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、誰を待っているのだろう、の意である。三句の「松虫」と「待つ」を重ねている。巻第五の第二百六十首も「誰を松虫」と同じ趣向を用いている。
いろ:色好み、恋愛の情
もと:根もと
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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秋の野に夜もや寝なん女郎花 花の名をのみ思ひかけつつ
- 次の歌
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女郎花匂ふ盛りを見る時ぞ わが老いらくはくやしかりける