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女郎花匂ふ盛りを見る時ぞ
わが老いらくはくやしかりける

歌の意味
女郎花が美しく咲き誇る盛りを見る時こそ、わが身の老いが悔しく思われることだ。
鑑賞
巻第六 秋歌中 347

詞書「前栽に女郎花侍りける所にて」
 女郎花が美しく咲き誇る盛りを見る時こそ、わが身の老いが悔しく思われると詠んだ歌である。若い女性になぞらえられる女郎花の盛りを前にして、もはや若くない自分を嘆いている。
 詞書によれば、庭の植え込みに女郎花が咲いていた所で詠んだものである。本巻の第三百一首も、秋萩の色づく秋をむなしく数えて老いたことを嘆いている。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。

 初句「女郎花」は、女郎花の、の意である。
 二句「匂ふ盛りを」は、美しく咲き誇る盛りを、の意で、本巻の第三百四十一首の「花の盛り」に通じている。
 三句「見る時ぞ」は、見る時こそ、の意で、「ぞ」は係助詞である。
 四句「わが老いらくは」の「老いらく」は、老いること、老年、の意である。
 結句「くやしかりける」は、悔しく思われることだ、の意で、三句の「ぞ」と連体形「ける」が係り結びをなしている。

おいらく:老いること、老年
せんざい:庭の植え込み、またそこに植えた草木
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
前の歌
女郎花色にもあるかな松虫を もとに宿して誰を待つらん
次の歌
女郎花花の名ならぬものならば 何かは君がかざしにもせん