年ごとに雲路まどはぬ雁がねは
心づからや秋を知るらん
- 歌の意味
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年ごとに雲の中の道に迷わずやって来る雁は、自分の心から秋を知るのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 365
詞書「人の、雁は来にけりと申すを聞きて」
年ごとに雲の中の道にも迷わずにやって来る雁は、誰に教えられるでもなく、自分の心で秋が来たことを知るのだろうかと詠んだ歌である。季節をたがえずに渡ってくる雁への感嘆を表している。
詞書によれば、人が、雁がやって来たと言うのを聞いて詠んだものである。本巻の第三百五十八首では人が雁に秋を告げられたのに対し、本歌は雁がみずから秋を知ることに思いをめぐらせている。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、甲斐少目、和泉大掾などを務めた。官位は低かったが、紀貫之と並び称される歌人で、三十六歌仙の一人である。小倉百人一首には「心あてに折らばや折らむ初霜の」の歌が採られている。
初句「年ごとに」は、年が来るたびに、の意である。
二句「雲路まどはぬ」は、雲の中の通い路に迷わない、の意である。
三句「雁がねは」は、雁は、の意である。
四句「心づからや」の「心づから」は、自分の心から、自分から進んで、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
結句「秋を知るらん」の「らん」は推量の助動詞で、四句の「や」と係り結びをなし、秋を知るのだろうか、の意である。
くもぢ:雲の中の通い路、空の道
こころづから:自分の心から、自分から進んで
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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ひたすらにわが思はなくにおのれさへ かりかりとのみ鳴きわたるらん
- 次の歌
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天の川雁ぞと渡る佐保山の 梢はむべも色づきにけり