いづれをかわきてしのばん秋の野に
うつろはんとて色変はる草
- 歌の意味
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どれをとりわけ愛でようか。秋の野で、衰えようとして色を変えている草を。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 371
詞書「題しらず」
秋の野で、やがて衰えようとして色を変えている草のうち、どれをとりわけ愛でればよいのかと詠んだ歌である。どの草も色を変えて美しく、選びかねる心を表している。
本巻の第三百六十八首から続く、秋の野の草の色の変化を詠む歌の締めくくりである。前歌の「色変はるらん」を受け、色の変わる草を結句に据えている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「いづれをか」の「か」は疑問の係助詞で、どれを、の意である。
二句「わきてしのばん」の「わきて」は、とりわけ、「しのぶ」は賞美する意で、とりわけ愛でようか、の意である。初句の「か」と連体形「ん」が係り結びをなし、ここで句切れとなる。
三句「秋の野に」は、秋の野で、の意で、本巻の第三百七十首の初句と同じ言葉である。
四句「うつろはんとて」の「うつろふ」は、色があせる、衰える意で、衰えようとして、の意である。
結句「色変はる草」は体言止めで、前歌の結句「色変はるらん」を受け、色の変わる草そのものを示して結んでいる。
しのぶ:賞美する、愛でる
うつろふ:色があせる、衰える
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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秋の野にいかなる露の置きつめば 千々の草葉の色変はるらん
- 次の歌
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声立てて泣きぞしぬべき秋霧に 友まどはせる鹿にはあらねど