- 歌の意味
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竜田山は、今まさに紅葉の錦を織り上げたことだ。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 376
詞書「題しらず」
竜田山は、今まさに紅葉の錦を織り上げたと詠んだ歌である。色とりどりに紅葉した竜田山を、織り上げた錦に見立てている。
上の句は、恋人の紐を解いたり結んだりして立つ、という恋の情景から「たつた山」を導き、紅葉の錦へと転じている。前歌が紅葉の始まりを思いやったのを受け、本歌は紅葉の盛りを詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「妹が紐」は、恋しい女性の衣の紐、の意である。
二句「解くと結ぶと」は、解いたり結んだりして、の意で、初句から三句の「たつ」までを導く序詞となっている。「解く」「結ぶ」は、紐の縁語である。
三句「たつた山」の「たつ」は、その場を立つ意と、地名の「竜田」を掛けた掛詞である。竜田山は大和と河内の境にある紅葉の名所である。
四句「今ぞ紅葉の」は、今まさに紅葉の、の意で、「ぞ」は係助詞である。
結句「錦織りける」は、錦を織り上げたことだ、の意で、四句の「ぞ」と連体形「ける」が係り結びをなす。「織る」は、紐や錦の縁語である。
たつ:その場を立ち去る意と、地名の「竜田」を掛ける
いも:男性が恋しい女性を呼ぶ語
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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初時雨降れば山辺ぞ思ほゆる いづれの方かまづもみづらん
- 次の歌
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雁鳴きて寒き朝の露ならし 竜田の山をもみだすものは